2012年9月8日土曜日

修士論文を終えて



先日修士論文を無事提出することができ、晴れてイギリス留学の学問の部が終了しました。

論文の内容について深くは触れませんが、執筆を終えて感じたことを書きたいと思います。イギリスの修士学についていろいろな人が異なる意見を持っていますが、ここに書いているのはあくまで個人的な見解なので温かい目で見守って下さい。

3月に論文のトピックを全く違うものに変えてから今月までの半年間、長いようであっという間の6ヶ月でした。5月末までテストがあったため、本格的に取り組んだのは6月中旬頃からですが。

リサーチ系の論文では無かったため、文献を中心に書きました。
政治思想、経済思想を中心に日本の経済発展を考察するもので、抽象的なものと具体的なものを融合させて考察するのは個人的に結構難しかったです。
そして書いていくなかで政治経済学は答えの無い学問というのを強く実感しました。
政治経済学は英語でInternational Political Economy(IPE)と書きますが、本当に幅の広い学問で全部を網羅するのは難しいです。特に英国のそれはアプローチ方法がたくさんあり、数量的に証明をすることもなく、理解するのに苦しみました。経済学部出身なので政治学に関しては知識が少なく、そして経済学的アプローチもほとんど無く、慣れるのに必死でした。政治経済の経済はあくまで事象のみなので経済学を前提にした上で成り立っているものだと思います。自分は理解するのに時間がかかる方なので、その分効率は悪かったかと思います。
そんな状況下でこの一年間勉強してみて良かったことは、学部の頃に勉強した経済学の土台をよく理解できたところです。これからはその応用を勉強したいです。
そして修士論文の執筆を通して書くという力(知的作業に当たる)を得たことです。今までの課題エッセイのできに満足いっていなかった点が、最後になって気付けたのも良かったのかなと。
学部時代に長文で英語のエッセイや論文を書いたことも無ければ、しっかりした書き方や引用の仕方も習わなかったので、大きなハンデでしたが何とかこの1年間勉強する中で身に付けることができました。
論文を書いては見直しての繰り返しで、全章を書き終えてみてやっと一つ一つの議論の繋がりが見えた時は正直嬉しかったです。そこから加筆、修正をしていくことでまた新しい発見をしたりと、正直作業に終わりが無い感じでしたが、最後自分の納得のいくものができたので良かったとしましょう。

この1年間の勉強を通して、特に知的作業を伴う論文執筆は、理論を咀嚼する力を与えてくれました。1年間と短期集中型のスケジュールなので、課題文献をいかに効率良く理解し、議論できるのかという力もついたかと思います。一般的に修士学は2年間のところが多く、そういった所と比べると実践的なことや応用についてあまり学べなかったかなと思います。
しかし、自分の弱点を見つけられ、それを少しでも克服できたことが大きな収穫かと思います。
ニュースなど物事を考察するときに本当にそうなのかと疑う力を得ることもでき、また自分で考えて議論できる力を養えたのが大きな進歩かと思います。
理屈詰めは嫌煙されがちですが、知っているか知らないかで物事の見方も変わってくるかと思いました。今まで何で気付かなかったんだろうって不思議になるくらいです。
もちろん知識はまだまだ半人前なので間違った見方をすることもありますし、議論が未熟だったりもします。
その部分に関してはこれからも勉強を続けて、少しずつ補っていけたらと考えています。

イギリスでの大学院生活は、日本の就職予備校的なことが一切無く、またアルバイトに追われることもなく勉強に集中でき、スポーツにも勤しむことができました。
英国を選んだもう一つの理由は、日本以外に文化的、言語的にストレス無く生活できる所が良かったからです。結果いろんな人と知り合えて交友関係の幅も広がり、自分の将来にいい影響を与えてくれました。
ようやく今修士論文を終えて、大学院進学を選んで良かったと胸を張って言えます。
今後は、就職活動に専念したいです。